距離計の調整@ゾルキー32010/11/20 13:29

距離計の調整@ゾルキー3
↑:クリックで拡大します。(Copy Right@ゴミ屋敷主人)

軍幹部カバーをはずしたと心
↑:クリックで拡大します。(Copy Right@ゴミ屋敷主人)

 距離計がずれているようなのでどうやって調整するのか調べてみました。どうやらトップの写真の対物窓の向かって左側のネジをはずして調整できるようです。ネジをはずして細めのマイナスドライバを差し込んで調整してみたところ確かに調整できるようですが、ずれ方が調整可能な範囲を上回っています。
 だめもとで、トップ二枚目の写真で見るように軍幹部のトップカバーをはずしてみました。ところがトップカバーは捲き戻しノブとシャッターボタンに干渉しておりはずすのには多少熟練が要ります。力いっぱいはずしたので今度はシャッターがおかしくなりました。このとき板バネのようなものが飛び出したのですがこれがいまだに謎です。以下色々と調べながら復元したのですが板バネに相当する部品がありません。もしかするとカメラから飛び出したものではないかもしれませんけど一応保管しております。
 ゾルキー3は対物ファインダーと距離計が統合されておりバルナック型ライカより進んでいます。それでも低速シャッターと高速シャッターの設定が分かれているのでシャッター機構はライカⅢ型あたりと同じかと思ってまずライカの文献に当たってみました。
 コピー1-2と二枚目の写真を比較するとよく似ています。結論から言うと2nd curtain latchをおさえている針金状のバネが外れていたのが不調の原因でした。よく見るとこの写真にも針金状のバネが写っているのですがなかなか気がつかないものです。latchが5mm程度浮き上がった状態で正常な位置まで差し込むのには微妙なスイートスポットがあることに気がつくのには結構時間がかかりました。
 その後にロシアカメラの文献にも当たってみました。コピー2-1は左がロシア語の原本で右側がその英訳のようですが残念ながら最初から三分の二ぐらいまでしか翻訳されていません。従って肝心のゾルキー3とかキエフ部分はありません。原本は1961年にキエフで出版されたもので著者名、出版社名も入っているのですが英訳版にはその記載がありません。英訳版は2010年発刊のようですが一種の海賊版なんですかね。まー、そんなことはどうでもいいのですがやはり完訳版を出してほしかったですね。
 ところでコピー2-2はゾルキー3そのもののシャッター機構まわりの図解なのでこちらを最初に見れば良かったですね。針金状のバネが2nd curtain latchをおさえているところも一目瞭然です。
 一応これで復元できたようにも見えるのですが、低速シャッターが少しおかしいです。もっともこちらは最初にちゃんとテストしていなかったので何ともいえないのですが・・・。
 そんなわけで今回の挑戦はここらあたりでペンディングとします。低速シャッターの修理にはもっと分解しないといけないようなので100円ショップの精密ドライバーだけではどうにもならないですね。工具などをそろえてから再挑戦してみます。ところで距離計は相当熟練した人でないと無理なようなので直すとしてもだいぶ先になりそうです。 


ライカリペアハンドブック
↑:クリックで拡大します:コピー1-1

Ⅲ型Shutter-speed selector and 2nd curtain latch
↑:クリックで拡大します:コピー1-2

ロシアカメラ修理マニュアル(露文、英文)
↑:クリックで拡大します:コピー2-1

ゾルキー3シャッター制御機構まわり
↑:クリックで拡大します:コピー2-2